このアルバム
Cafe del Marシリーズの第23弾。
ジャケットが盛夏の印象というよりは、晩夏の印象。
この印象のせいか、アルバム全体の印象も、しっとりとした少し秋を感じるような構成になっている。
コンパイラーはToni Simonen。最後には2つのミックスが用意されている。
そういえば、Toni Simonenはイタロハウスやブラジリアンハウスなどの系統はあまりセレクトしない印象がある。
アフリカンやオリエンタルなものも少ない気がする。
今回、アルバムの前半は60年代70年代を感じるノスタルジックな構成になっている。
収録されている曲は、最近のモノばかりなのだが、印象としてノスタルジックである。
【前半】
1曲目 Télépopmusik の Breathe (Kartell Slow Remix)。
「Another Day…」というフレーズが印象的に使われる。
収録されているのはリミックスだが、オリジナルはイギリスのUKチャートにランクインした。
4曲目 Arms and Sleepers の Pan Am
少し古い印象の曲だが、リリースは2017年。ヒップホップ。
使われている楽器の音色と、女性ボーカルが、どことなく60年代を想起させる。
映画 Oceans シリーズ(Oceans 11、Oceans 12、Oceans 13)のサントラに入っていそうな感じ。
5曲目 Kraak & Smaak の Stumble (feat. Parcels) [Blue Motel Remix]
この曲目も「One Day」のフレーズが印象的。
6曲目 Blue States の Vision Trail。
夏らしい涼やかな1曲。
やわらかいギターと、透明感のあるボーカル。ストリングスも効いている。
やっぱり、こうした曲がないとねぇ!
7曲目 Flo Morrissey & Matthew E. White の Everybody Loves the Sunshine
オリジナルはRoy Ayersが1976年にリリースしたもの。
多くのリミックスがあり、サンプリングとしても使われることが多い曲。
オリジナルはIbiza the Sunset sessionsに収録されている。
他にCafe del Mar 2にRampによるバージョンが収録されている。
8曲目 Bibio の Petals
曲の雰囲気が、これまた古い。70年代フォークの印象だが、2016年の曲。
10曲目 Penguin CafeのCantorum
Penguin CafeはPenguin Cafe Orchestraの創始者サイモン・ジェフスの息子アーサー・ジェフスを中心としたグループ。
ストリングスのリフから始まり、ピアノがのっかる。さらにストリングスがメロディラインをなぞっていく。
少し神経質な印象も受ける曲。
11曲目 Ben Lukas Boysen の Nocturne 3
ピアノ曲。ノクターン、つまり夜想曲。
綺麗なピアノ曲で、Cafe del MarのPiano Worksシリーズに入っていてもおかしくない。
14曲 Brian Eno の Fickle Sun (III) I’m Set Free
前半の最後はアンビエントの巨匠による1曲。
これもどことなく70年代の雰囲気。
【後半】
1曲目 Sasha の Vapour Trails
雄大なアンビエント。
ちょっとびっくりなのは、まさかSashaの曲が収録されるとは思わなかったからだ。
プログレッシブ・ハウスの超大物DJによるアンビエントは新鮮である。
3曲目 Blank & Jonesの Snappiness (Afterlife Mix)
尺八ではないが、独特の竹笛が印象的に使われている。
東洋的・南アジアな雰囲気にピアノが混じり、トライバルな一曲になっている。
相変わらず、Blank & Jonesは音楽の幅が広い。
4曲目 DJ Day の Four Hills
前半の流れの中で理解できる選曲。郷愁的な1曲である。2013年の曲。
5曲目 Stimulator Jones の La Mano
ジャズにカリブのリズムが乗っている感じ。
10曲目 Song Sung の I’m Not in Love (Extended Mix)
最初全然気が付かなかったが、10ccの代表曲「I’m Not in Love」のリミックス。
アンビエントな雰囲気に完全に溶け込んでおり、なかなか気が付かなかった…。
11曲目 Gabin & Stefano di Battista の Urban Night
ジャズ。チルアウトよりもラウンジに向いている感じ。
サンセットビーチで聞くよりは、小洒落たレストランでディナーを食べながらのほうが似合う。
14曲目 Sacha Puttnam の Abraham’s Theme (On-U Sound Dub)
映画「炎のランナー」からヴァンゲリスの曲をクラシックな雰囲気にリミックス。
聞き比べると全然違う印象である。
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※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「チルアウトとラウンジとは」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Cafe del Mar 23
2017年
label : Cafe del Mar music
Disc 1
- Télépopmusik / Breathe (Kartell Slow Remix)
- Vincenzo / Today
- Lord Echo / In Your Life
- Arms and Sleepers / Pan Am
- Kraak & Smaak / Stumble (feat. Parcels) [Blue Motel Remix]
- Blue States / Vision Trail
- Flo Morrissey & Matthew E. White / Everybody Loves the Sunshine
- Bibio / Petals
- Zero 7 / Last Light
- Penguin Cafe / Cantorum
- Ben Lukas Boysen / Nocturne 3
- Bonobo / Second Sun
- The Cinematic Orchestra / To Believe
- Brian Eno / Fickle Sun (III) I’m Set Free
Disc 2
- Sasha / Vapour Trails
- Goldfrapp / Beast That Never Was
- Blank & Jones / Snappiness (Afterlife Mix)
- DJ Day / Four Hills
- Stimulator Jones / La Mano
- White Elephant / Sir John
- Calibre / Gentle Push
- Moby & The Void Pacific Choir / Are You Lost in the World Like Me (Moby Remix)
- Jimmy Whoo / Outro (My High)
- Song Sung / I’m Not in Love (Extended Mix)
- Gabin & Stefano di Battista / Urban Night
- Still-Life & Tim Laverack / Milieu
- Afterlife / Blue Bar (Chris Coco Remix)
- Sacha Puttnam / Abraham’s Theme (On-U Sound Dub)
- Toni Simonen / Café del Mar, Vol. 23 (Continuous Mix 1)
- Toni Simonen / Café del Mar, Vol. 23 (Continuous Mix 2)
アルバムの評価
★★★★★★★★☆☆
【評価の内訳】4.4
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.4
Aランク:
Disc 1 –
Disc 2 –
Bランク:
Disc 1 1曲目、4曲目、5曲目、6曲目、8曲目、10曲目、11曲目、14曲目
Disc 2 1曲目、3曲目、10曲目、14曲目