映画「アバター」(2009年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

この記事は約7分で読めます。

感想/コメント

分身

アバター(Avatar)の語源はサンスクリット語のアヴァターラにあるそうで、化身を意味します。

つまりは「分身」です。

「分身」であるのか「自身」であるのか、この映画を見進めるうちに、境目は曖昧模糊としてきます。

パンドラ

そして舞台となるのパンドラという惑星。

パンドラというと「箱」の伝説を思い起こします。

パンドラの箱を開けると、そこから飛び出したのは疫病、災害、悲観といった人間を苦しめるものでした。

あらゆる災厄がパンドラの箱から解き放たれてしまうのですが、箱に最後に一つだけ残っているものがありました。

「希望」です。

題名と舞台に、監督のメッセージが見え隠れする作品です。

映画史に残る作品

この映画は二つの点において、すでに映画史上に残るものになっています。

まずは興行成績歴代No.1である点です。

やがて、この映画の興行成績を抜かす映画が出てくるのは間違いないですが、この興行成績が記録から忘れ去られるほど下位に落ちるには、どれくらいの年月が必要になるでしょう?

それ程の興行成績を残している作品です。

もう一点は、事実上3D映画の幕開けを告げる映画になったという点です。

映像革命といっていいでしょう。もちろん、この映画の3D技術はまだまだ荒削りの部分があります。ですが、3Dのもつ可能性と将来性を示してくれた作品でした。今後は新たな技術開発合戦が過熱していくでしょう。

込められたメッセージ

さて、映画の内容に戻ってみましょう。

題名と舞台に込められている意味というのは最初に述べたとおりです。

それ以外にも、この映画には言わずもがなの、とーっても分かりやすいメッセージが色々込められています。

荒廃したという設定の地球に対して、豊かな生命に溢れるパンドラ。現在の環境破壊に対するアンチテーゼ。

パンドラに張り巡らされた生命のネットワーク。それは人間の脳よりも緻密で大きな神経回路です。

パンドラ自体が巨大な生命体であるという発想。その生命体自体をエイワと呼んでいますが、エイワは生命の隆盛に関与しません。あくまでもバランスを取るのが役目です。

ですが、すべてのバランスが崩れそうな時には、バランスをとるために動き出します。

地球も同じようにバランスと取り始めているのでは…、と思わずにいられません。

皮肉とアンチテーゼ

人間の持ち込んだ機械類の先進性と、ナビィの後進性。一方的に破壊力の強い武器で侵攻したとしても、必ずしも制圧できるわけではありません。

これはアメリカ人監督が撮っている映画だけに、ものすごい皮肉です。そうしたことを分かっていて描いているのでしょう。

近年でいえば、アフガニスタンにイラク、その前ではベトナム。アメリカは圧倒的な軍事力で軍事的な勝利を勝ち取ることは得意ですが、占領政策で成功した例というのはほとんどありません。唯一日本だけがうまくいって、それ以外はすべて失敗してきていると言って良いでしょう。

しかも、この映画は巨大な富をもたらす鉱石のために侵攻するという設定になっています。鉱石を原油に読みかえればいいだけの話です。

魂の木

栃木県足利市にある、あしかがフラワーパークの藤の棚のライトアップが、魂の木の幻想的なシーンを彷彿させるとして話題になりました。

ヒーローズジャーニー

この映画を理解するうえでジョーセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」が参考になります。

ジェームズ・キャメロン監督作品

  • Xenogenesis (1978) 監督、脚本、製作
  • 殺人魚フライングキラー (1981) 監督
  • ターミネーター (1984) 監督、脚本
  • エイリアン2 (1986) 監督、脚本
  • アビス (1989) 監督、脚本
  • ターミネーター2 (1991) 監督、脚本、製作
  • トゥルーライズ (1994) 監督、脚本、製作
  • ターミネーター 2:3-D (1996) 監督、脚本
  • タイタニック (1997) 監督、脚本、製作、編集
  • ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密 (2003) 監督、製作、出演
  • エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ (2005) 監督、製作、出演
  • アバター (2009) 監督、脚本、製作、編集 本作

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

2154年。人類はケンタウルス座アルファ星系惑星ポリュペモスの衛星パンドラでアンオブタニウムの鉱脈を発見。

戦争で負傷し下半身不随となり車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員のジェイク・サリーはアバター・プロジェクトにスカウトされた。本来は彼の双子の兄が関わるプロジェクトだった。

パンドラの大気は人間には極めて有毒である。そこで自由に活動できるよう先住民ナヴィと人間のDNAを掛け合わせた肉体「アバター」が造られていた。

ジェイクのアバターは双子の兄のDNAで造られている。遺伝子が同じであるジェイクはそのアバターを使えるのだ。

アバターに同化するには特殊なカプセルに入って同化処理を行わなければならない。初めてアバターと同化したジェイクは再び自分の足で歩け、走れる体験をして大興奮する。

その同化能力の高さにグレース・オーガスティン博士は能力があると認めた。

パンドラのアンオブタニウムの鉱脈採掘責任者はパーカー・セルフリッジだ。そしてそれを守るために元海兵隊のマイルズ・クオリッチ大佐が軍事顧問としてにらみを利かせていた。グレースは科学顧問として採掘計画を立案していた。

ナヴィの観察・教化を行うアバター計画責任者であるグレースの下にはマックス・パテール博士、更にノーム・スペルマン博士がいる。このチームにジェイクは入ることになった。

グレースは科学者としてパンドラを研究しており、ナビィ族とも良好な関係を気付き、交渉で立ち退きを考えていた。

ジェイクに課せられた任務は、そのアバターに意識を同化させ、遠隔操縦によりパンドラで生活し、ナヴィ族との交流を図ること。

ある日、ジェイクがアバターに同化し、同じくアバターに同化したグレースらの調査に護衛として出かけたとき、凶暴な野獣に襲われてはぐれてしまう。

夜になり、集団で襲ってくる獣を相手に悪戦苦闘しているジェイクを助けたのがナヴィのオマティカヤ族のネイティリだった。

ネイティリはジェイクの言葉が片言だが分かる。

ネイティリはジェイクに去るように警告をするが、そのジェイクをエイワが包みこむのを見て、村に連れていくことを決心する。

ネイティリの父は族長エイトゥカン、母モアトはシャーマンである。村には次期族長ツーテイがいた。

モアトはジェイクをネイティリに預けて、ナビィの言葉から習慣からすべてを教えることにした。

ナビィは己の食のために生物を殺した場合には祈りを捧げる。魂のすべてはエイワに戻ると考えている。

グレースの研究によると、パンドラ自体が巨大なネットワークのようなもので生物が結び付きあっていることを発見している。それは人間の脳神経回路よりもはるかに複雑な生命の回路である。それをエイワと呼んでいるのだ。

ナビィは他の動物と同期することができる。すべての動物には同期するための方法があるのだった。

ジェイクはナビィと接触し、その時得た情報を大佐に提供していた。大佐はそんなジェイクに対してお前を地球で歩けるようにしてやると約束する。

大佐の知りたいのはナビィたちのホームツリーである。

ジェイクは大佐の命令に忠実に従っていた。だが、これを嫌ったグレースは離れた場所にある施設からアバターの同化処理を行うことにした。

やがて一人前のナビィ族と認められたジェイクはネイティリと契りを交わす。

その翌朝、大型ブルドーザーが森を破壊し始めた。驚いたジェイクは、ブルドーザーのカメラを壊して邪魔をする。それを知った大佐は怒り、ジェイクの同化処理を無理やり中断して監禁した。

大佐はナビィたちが住むホームツリーを攻撃した。

裏切り者として見限られたジェイクがナビィの信頼を取り戻すには新たなジェイクになるしかなかった。それはナビィ族でも5人しかなしえなかったトゥルークマクトなることだった。

トゥルークマクトになったジェイクはすべての部族に抗戦の呼びかけをした。そしてついに人間との戦いが始まった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

アバター
(2009年)

監督: ジェームズ・キャメロン
製作: ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
製作総指揮: コリン・ウィルソン、レータ・カログリディス
脚本: ジェームズ・キャメロン
撮影: マウロ・フィオーレ
音楽: ジェームズ・ホーナー
シニア視覚効果監修: ジョー・レッテリ

出演:
ジェイク・サリー / サム・ワーシントン
ネイティリ / ゾーイ・サルダナ
グレース・オーガスティン / シガーニー・ウィーバー
マイルズ・クオリッチ大佐 / スティーヴン・ラング
トゥルーディ・チャコン / ミシェル・ロドリゲス
パーカー・セルフリッジ / ジョヴァンニ・リビシ
ノーム・スペルマン / ジョエル・デヴィッド・ムーア
モアト / CCH・パウンダー
エイトゥカン / ウェス・ステューディ
ツーテイ / ラズ・アロンソ

興行収入ランキング

  1. 日本歴代興行収入ランキング(Top100)
  2. 世界歴代興行収入ランキング(Top200)
タイトルとURLをコピーしました