このアルバム
前の2作に比べると、大きく展開する曲が増えている。内省的な印象から、明るい面ものぞかせている。
アレンジも生楽器だけでなくプログラミングも使っており、新しい段階に入った感じである。プログラミングを用いたことによって、曲の厚みが増しているように思う。その結果、より一層聞きやすくなった。
1曲目:古代中国からインスピレーションをえたようだ。だが、中国っぽい感じではなく、いわれてみてヴァイオリンに少しその影響が見られるかなぁ、といった程度。
2曲目:Karen Mathesonがボーカルを取っている。題名にふさわしく、祈りを捧げる歌である。
3曲目:ケルティックな曲調はSecret Gardenならでは。今までであれば、内省的な静かな曲になるところだが、これは大きく展開する。
7曲目:オリエントの要素をSecret Gardenなりに取り入れた曲のようだ。
9曲目:これも3曲目どうように大きく展開する。そして、最後の曲への序章となっている曲でもある。
13曲目:すべてはこの曲のために構成されてきたと思わせる曲。リリース時点が20世紀の終わりだったことを思いながら曲を聴くと、古い世紀の幕引きと同時に、新たな世紀への希望も感じられる。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Secret Garden
1999
Album title
“Dawn Of A New Century”
Label : Polygram
1 Moongate
2 Prayer
3 Elan
4 Dreamcatcher
5 Sona
6 In Our Tears
7 Children of the River
8 Evensong
9 Lore of the Loom
10 Aria
11 Divertimento
12 Aquarell
13 Dawn of a New Century
アルバムの評価
★★★★★★★★★☆
【評価の内訳】4.5
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.5
Aランク:13曲目
Bランク:1曲目、2曲目、3曲目、7曲目、9曲目
Secret Garden(シークレット・ガーデン)プロフィール
ノルウェー出身の作曲家Rolf Lovland(ラルフ・ラヴランド)とアイルランド出身のヴァイオリニストFionnuala Sherry(フィンヌーラ・シェリー)とのユニット。
ラルフのシンプルな表現の音楽を作りたいという長年の願いから生まれる。
フィンヌーラは、アイルランド国営放送局のオーケストラで活躍をしながら、ヴァン・モリソンやシンニード・オコナー等の楽曲制作に携わっていたアーティスト。
1994年”Songs From A Secret Garden”でデビュー。アルバム収録の”Nocturne”が1995年のユーロ・ヴィジョン・コンテストのグランプリを獲得。