このアルバム
前作から4年ぶりとなる新譜が本作。3rdアルバム(通算4枚目)
12曲目は日本盤ボーナストラックです。
個人的には、”Watermark“からの流れが本作でいったん完結した印象を受けます。
プロローグとしての”Watermark”、本編の”Shepherd Moons“、そしてエピローグとしての本作です。
それは、エンヤのデビューして以来の音楽性を、本作でいったん完成のレベルまで持って行ったことを示すものでです。
ですが完成したと言うことは、逆に言えば、行き詰まったとも言えます。
それでも楽曲のレベルの高さは、ヘタなミュージシャンよりはるかに上であるのは間違いありません。
エンヤに限って言えば、どのアルバムも遜色はないし、どのアルバムもオススメすることが出来る数少ないアーティストです。
私個人は本作をエンヤ作品の中ではあまり聞かないのです。
なぜ聞く頻度が少ないのか。
端的に言えば、”Watermark”と”Shepherd Moons”を足して割った印象のアルバムだからです。その印象がゆえに、本作を一連の流れで完結編として捉えています。
足して割った印象のアルバムが悪いわけではありませんが、新鮮味がなく、飽きが来てしまいます。また、内省的なイメージの曲が多いのも、聞く頻度を下げているのかもしれません。
前2作は、陰陽が分かれてバランスが良かったです。また、前2作はエンヤの新しい試みが随所に盛り込まれており、それがアルバムに勢いをもたらしていた感があります。本作ではその勢いが無くなってしまっているように思われます。
個人的に思うのは、前2作の異常なヒットに、プレッシャーがあったのではないかと思います。セールスでコケル訳にはいかない…。そんな思いが保守的な方向に動かせたのではないでしょうか。だから、守りの感じを受けるのではないかと思うのです。
ですが、セールスもコケルことなく、無事にエンヤらしいヒットを飛ばしています。
そして、セールスからの呪縛から解き放たれたのでしょうか。次作では、前2作に劣らずの勢いを取り戻しています。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Enya
1995
Album title
“The Memory of Trees”
Label : Warner Music UK
1 The Memory of Trees
2 Anywhere Is
3 Pax Deorum
4 Athair Ar Nearmh
5 From Where I Am
6 China Roses
7 Hope Has a Place
8 Tea-House Moon
9 Once You Had Gold
10 La Sonadora
11 On My Way Home
12 Oriel Window
エンヤのアルバム
- Enya (1987) (reissued in 1992 as The Celts)
- Watermark (1988)
- Shepherd Moons (1991)
- The Memory of Trees (1995) 本作
- A Day Without Rain (2000)
- Amarantine (2005)
- And Winter Came… (2008)
- Dark Sky Island (2015)
1995年の他のアルバム