このアルバム
チルアウトの神様Jose PadillaがフランスのレーベルからリリースしたミックスCD。
Man Rayというシリーズものの第4弾。Jose PadillaがミックスCDを出すのは珍しい。
彼のプレイを聞ける数少ないチャンスとなるので、是非聞いておきたい。このミックスCDはチルアウトというよりはチルアウトとラウンジの中間という感じである。
また、選曲が一風変わっていてとても面白い。むしろ、一風変わっているというよりは、少し実験的な構成とも言える。オーソドックスな展開ばかりを聞いていると、こういうのも面白い。個人的には高く評価しているが、お薦め度合いを考え、アルバムの評価を少し下げた。
1曲目:生ギターの音とともに始まる。若干気怠い感じのする曲調にはチルアウトな雰囲気が漂う。涼やかな風の中で聞くと気持ちがよい。
3曲目:2曲目からのツナギ方が結構好きである。曲調を変えますよというツナギ方である。で、曲調は変り、多少リズムが出てくる。
5曲目:若干ビッグビートのテイストが感じられる。
8曲目:サンバと名が付いているが、ボサノバである。…と、ここまではチルアウトやラウンジの曲が散りばめられている感じである。流れもスッキリとしており、とても聞きやすい。
10曲目:これまで、マッタリとしていたところを叩き起こされる感じである。なんと、Jose PadillaはHip Hopを持ってきた。もともとジャンルレスな音楽スタイルの彼であったが、今までHip Hopを取り入れたことは無かったように思う。だが、DJとは本来こういう風に簡単にジャンルの枠を越えなければならないのかもしれない。この一曲で目が覚める。だが、長い…もっと短い方がアクセントとしては良かった。
11曲目:これもまた珍しい2Step。ごく短い一時期に席巻した2Stepを持ってくるのはチトどうか?
12曲目:この曲以降、ラウンジ色の強い選曲になる。だが、10曲目11曲目があるおかげで、もの凄く新鮮に聞こえるから不思議である。
14曲目:Hotel Costes 7に収録。
なお、14曲目にシークレットトラックとして、Edith Piafの”La Vie En Rose”ライブバージョンが収録されている。
このEdith Piafは1930年代から1950年代に活躍した歌手で、現在でも、フランスが生んだ最高のシンガーとして名を馳せている。歌う曲の主題はロマンスのほか、セックス、死、ドラッグ中毒と多彩だった。タブーな題材を扱うことがあったために多くの曲が放送禁止の憂き目に遭った。Jose Padillaがこれをシールレットトラックとしたのは、レーベルがフランスということと、このEdith Piafの生き方や歌手としての姿勢に対するオマージュなのだろう。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「チルアウトとラウンジとは」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Man Ray
2005
Album Title :
“Man Ray 4 (Jose Padilla)”
Label : Merkevah Records
artist / title
1 Linn & Freddie / Live 4 Love
2 Break Reform / And I (Yam Who? Rework)
3 Sunburst Band / Everydub
4 Parov Stelar / For All We Know
5 Dr. Rubberfunk / Harry the Guitar
6 Cagedbaby / Hello There
7 Todd Terje / Glittertind
8 Toco / Instalacao Do Samba
9 Gecko Turner / Monka Mongas
10 Def Harmonic / Zap…Whut?
11 Jose Padilla / Look of Love (NFG 2 Steps Remix)
12 Resin Dogs / She’s Gone (Kraak and Smaak Remix)
13 Was A Bee / This Is What U R
14 Yaziko / Hip Hip Chin Chin
アルバムの評価
★★★★★★★★☆☆
【評価の内訳】4.2
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.2
Aランク:-
Bランク:1曲目、3曲目、8曲目、12曲目
アーティストの紹介
José Padilla(ホセ・パディーヤ)