このアルバム
前作に比べて印象の異なる曲が増え、バリエーションが豊かになっている。
1曲目:本シリーズが通常のラウンジと異なるのは、オリエンタル風な音源が入り込んでいる点であると思う。この曲も、出だしが、オリエンタル/エキゾチックな笛の音から始まる。出だしこそ、オリエンタル/エキゾチックであるが、曲の展開自体はダウンテンポな夜を感じさせるラウンジである。
3曲目:ゆったりとしたテンポ。派手な展開はなく、使用している音色の数も少ないので、まさにChill Outできる一曲。静かな、静かな、静謐さをたたえた曲である。なお、ダブミックスとなっているが、いわゆるレゲーよりのダブを想像すると裏切られる。この手のダブミックスは手法としてダブの手法を取り入れているだけで、レゲーの香りは全くしない。
4曲目:3曲目からつながるこの曲。展開としていい感じである。3曲目の静かな感じから、少し浮かび上がってくるような印象がある。この曲も派手さはないが、この曲のあとに一発派手な展開をする曲を持ってくれば、それこそChill Outのいい展開となる。
7曲目:口笛が入り込む。すっごく軽い感じの入り方。曲の感じが60年代70年代のフランスやイタリアのラウンジ、もしくは映画等で使われているようなタッチである。こういう曲が入る点にIBIZA系ラウンジの特色があるのかも知れない。ちょっとファニーな感じで、思わずニヤッとしてしまう曲である。
12曲目:キックの重さといい、曲の暗さといい、Trip Hopの要素を兼ね備えている一曲。ピアノの入り方、ボイスの入り方が緊張感を生み出している。ラウンジの展開でこの曲が入ったら、ゆったりとした流れを引き締める効果が期待出来る。そういう意味でこのセレクトは面白い。しかし、こういう曲は、この系統のアルバムには1曲くらいで十分である。複数曲は入り込むと、Trip Hopの印象が強くなりすぎる。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「チルアウトとラウンジとは」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
“Macao Cafe – Balearic Lounge Collection Vol3”
2003
compiled by
Max Lanfranconi
label : Etnicanet
Artist / Title
1 Solid World / Castro’s kitchen
2 Abukus / By the river
3 Etnica / Tell me why (dub mix)
4 F. Baltimore / Dream
5 Etnica / Funky bong
6 The Giantist’s / As you please
7 Doris Decker Guest House / Dadab !
8 The Cusp / Moine flip
9 Soft Machine vs Sidish / Lounge
10 Etnica / I miss you
11 Green Grass / Running water
12 John Doe / To hell with you
アルバムの評価
★★★★★★★★☆☆
【評価の内訳】4.4
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.4
Aランク:-
Bランク:1曲目、3曲目、4曲目、7曲目、12曲目