イングランド女王エリザベス一世を描いた映画です。前作「エリザベス」(1998年)の続編になります。
今回は1585年から始まり、1588年のアルマダの海戦までの期間が描かれます。
前作で描かれたのが即位した時期の1558年周辺でしたので、ザックリ四半世紀後になります。
エリザベス一世は25歳で即位しましたので、この映画では50歳前後になっています。
エリザベス一世は1603年に亡くなりますので、この映画の時期から15年くらい後のことです。
日本ではちょうど江戸幕府が開かれた時期になります。
感想/コメント
ウォルター・ローリー
この映画で重要な登場人物がウォルター・ローリーです。
スペインの大使から海賊呼ばわりをされ、エリザベス一世からは寵愛を受けている様子が描かれました。
ローリーは1591年に秘密結婚したばれて、宮廷の立場を失います。相手は、映画同様にエリザベス・スロックモートン(通称ベス)でした。
女王付きの女官の1人であり、無許可の結婚が発覚すると、エリザベス一世は激怒してローリーをロンドン塔に投獄し、ベスを宮廷から解雇しました。
しかし、この後に復活し、寵愛はエリザベス一世が亡くなるまで続きました。
フェリペ2世
エリザベス一世に敵対したのがスペインの王であるフェリペ2世です。
ハプスブルク家のカスティーリャ王国・アラゴン王国(=スペイン)の国王でした。
イングランド女王メアリー1世と結婚期間中は共同統治者としてイングランド王フィリップ1世(Philip I)でもありました。
1580年からは、フィリペ1世(Filipe I)としてポルトガル国王も兼ねました。
治世はスペイン帝国の絶頂期に当たり、領土はヨーロッパから中南米、アジア(フィリピン)に及びました。
そして、ポルトガル国王も兼ねることで、ポルトガルが有していた植民地も継承し、「太陽の沈まない国」呼ばれました。
フランシス・ウォルシンガム
前作に続いての登場です。
エリザベス一世に忠実に仕えた重臣として描かれました。
国内外に情報網・監視網を張り巡らせ、反エリザベス陰謀の摘発にあたった人物で、秘密警察のトップのような役割を担っていたようです。
重用はされていたようですが、嫌われていたようです。
映画ではそのようには描かれませんでした。
あらすじ/ストーリー
1585年。
この時代の最強の国はスペインだった。
スペイン王フェリペ2世は熱心なカトリック教徒で、ヨーロッパ全土を聖戦の渦に巻き込んだ。
その中で唯一スペイン王に逆らったのが英国。
プロテスタント教徒の女王が支配する国だった。
フォザリンゲイ城にはスコットランド女王メアリー・スチュアートが幽閉されていた。
カトリック教徒にとってはメアリーこそが希望だった。本当の女王はエリザベスではなく、メアリーと信じるものが多くいたのだ。
こうした時期にアメリカから戻ってきたのがウォルター・ローリー卿だった。エリザベスはローリー卿に興味を持った。
一方で、スペインとの関係が決定的に悪化した。
エリザベスが襲われた。エリザベス暗殺を指示したのがメアリー・スチュアートだとして、メアリーは反逆罪で処刑された。
こうした中、侍女ベス・スロックモートンとウォルター・ローリーが深い関係になった。
そして、メアリー・スチュアートの処刑を理由にスペインのフェリペ2世がイングランドに攻め込んできた。
アルマダの海戦が始まった。
映画情報(題名・監督・俳優など)
監督:シェカール・カプール
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ジョナサン・カヴェンディッシュ
製作総指揮:マイケル・ハースト、デブラ・ヘイワード、ライザ・チェイシン
脚本:ウィリアム・ニコルソン、マイケル・ハースト
撮影:レミ・アデファラシン
プロダクションデザイン:ガイ・ヘンドリックス・ディアス
衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン
編集:ジル・ビルコック
音楽:クレイグ・アームストロング、A・R・ラフマーン
出演
ケイト・ブランシェット/エリザベス女王1世
ジェフリー・ラッシュ/フランシス・ウォルシンガム
クライヴ・オーウェン/ウォルター・ローリー
リス・エヴァンス/ロバート・レストン
ジョルディ・モリャ/スペイン国王フェリペ2世
アビー・コーニッシュ/ベス・スロックモートン
サマンサ・モートン/スコットランド女王メアリ
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