原作は、梁羽生の「七剣下天山」。梁羽生は新武侠小説と呼ばれる作家群に属する代表的な作家です。金庸、古龍とともに3大作家と呼ばれます。
新武侠小悦は、1950年代以降に香港や台湾で書かれるようになった武侠小説を指します。
一方で、1920年代から1940年代にかけて書かれた武俠小説を旧武俠小説と呼んで区別しています。
旧武侠小説と呼ばれる作家群に属する王度廬の「臥虎蔵龍」を原作にした映画が「グリーン・デスティニー」です。映画はこちらの方が面白いです。
日本の小説家の中にも武侠小説を書いている作家がいます。武田泰淳や田中芳樹らです。武田泰淳の「十三妹」でシイサンメイの読みが知られるようになりました。
感想/コメント
映画が始まったばかりのシーン。
風火連城から来た白塗り賞金稼ぎ軍団の登場は度肝を抜き、期待感を持たせてくれました。
特に、インパクトの強い十二門将・瓜哥洛はよかったです。
衣装も意外に華やかで、武器も変わったものが多く、『HERO』『LOVERS』の路線を踏んでいるのかと思っていました。
が、次第に勘違いであることが判明します…
『HERO』『LOVERS』でのような、映像美はなりを潜めてしまっていたのです。
そして、格闘シーンも優雅かつスピーディな、それでいて非現実的な優雅なアクションはほとんど見られません。
『HERO』『LOVERS』が映像も綺麗で、幽玄の映像ファンタジーを見せてくれたのに対して、『セブンソード-SEVEN SWORDS』は現実的な残虐を見せてくれます。
ですが、考えてみたら、監督が違うのだから当然といえば当然でした。
そういう期待をして見てしまう方がいけないのですが、それにしても…『HERO』『LOVERS』に続く云々…の宣伝文句はちと不味かったのではないかと思うわけです。
私はみごとにこの宣伝文句に踊ってしまいました(苦笑)。
さて、監督は今回の撮影で、従来のように1シーンを撮るために数台のカメラを回すのを止め、華麗な衣装のかわりにリアリティのある衣装に替えたそうです。
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
1600年代半ば、清王朝建国後の中国。
新政府が発した禁武令のもと、風火連城(フォンフォリェンチョン)(スン・ホンレイ)は、私腹を肥やそうとたくらみ、不満分子の排除に手を貸す。
彼の軍団は、武術に長けた者のみならず老人も子どもも問わない残虐な殺戮を繰り広げ、賞金を獲得していた。次に狙ったのは武荘という集落だった。
ひとりの男が立ち上がった。明王朝時代に処刑人を務めていた傅青主(フー・チンジュ)(ラウ・カーリョン)である。
彼は良心の呵責から、風火連城の蛮行に歯止めをかけ、武荘を守ろうと決意する。
だが、役人時代、男は冷酷な人間だったため、それを集落の人間に信じてもらえない。
フーは集落の武元英(ウー・ユエンイン)(チャーリー・ヤン)と韓志邦(ハン・ジィパン)(ルー・イー)を連れて伝説の刀匠が住むという神秘の山”天山”を目指した。助っ人を求めたのだ。
刀匠である大師は優秀な剣士達を育てていた。フーの頼みを聞き入れ、腕のいい4人の弟子を武荘へ派遣することに同意した。
派遣されたのは、楚昭南(チュウ・チャオナン)(ドニー・イェン)、ヤン・ユンツォ(レオン・ライ)、穆郎(ムーラン)(ダンカン・チョウ)、辛龍子(シン・ロンヅ)(タイ・リーウー)の4人である。
傅青主(フー・チンジュ)、武元英(ウー・ユエンイン)と韓志邦(ハン・ジィパン)を加えて7人である。
刀匠は、それぞれ異なる力を発揮する英知・攻撃・防守・犠牲・結束・剛直・均衡の七剣をそれぞれに授けた。
武荘に到着した7人は迫り来る風火連城(フォンフォリェンチョン)の軍勢から村人を守るため、、安全な場所へ避難させようとする。
だが、何者かが風火連城(フォンフォリェンチョン)に分かるように道しるべを残したり、飲み水に毒が混ざったりした。集落の人間のなかに内通者がいる…いったい誰なのか。
風火連城の軍団は迫り来る。7人は集落の人間を守りきれるのか…
映画情報(題名・監督・俳優など)
セブンソード(七剣)
2005
監督:ツイ・ハーク
製作:ツイ・ハーク、リー・ジョウイ、マー・ジョンジュン、パン・ジージョン
脚本:ツイ・ハーク、チョン・チーセン、チュン・ティンナム
原作:リャン・ユーシェン「七剣下天山」
音楽:川井憲次
配役/出演:
ヤン・ユンツォ/レオン・ライ
チュウ・チャオナン/ドニー・イェン
ウー・ユエンイン/チャーリー・ヤン
フォンフォリェンチョン/スン・ホンレイ
ハン・ジィパン/ルー・イー
リュイジュ/キム・ソヨン
フー・チンジュ/ラウ・カーリョン
リィウ・ユイファン/チャン・チンチュー
シン・ロンヅ/タイ・リーウー
ムーラン/ダンカン・チョウ
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