記事内に広告が含まれています

(映画)ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年)の考察と感想とあらすじは?

この記事は約4分で読めます。

1922年に書かれたF・スコット・フィッツジェラルドによる短編小説が原作となっています。

フィッツジェラルドは「グレート・ギャツビー」などを書いた「失われた世代」を代表する作家のひとりです。

映画の中で「永遠てないんだな」という趣旨のセリフがたびたび登場します。この映画を端的に表しているわけではないですが、映画の一部分を表現した印象的なセリフです。

そもそも、人間は生まれた瞬間から死に向かって生きていく運命にあります。ただ、それを意識しながら生きてはいません。

主人公のベンジャミンは生まれたときには既に80歳の老人の肉体でした。

年を取るにつれ、肉体は若返っていきます。このことについて、どう思うかと聞かれて「わからない」と返事をした彼の心情はどのようなものだったのでしょう。

我々が、年を取るにつれ、肉体が衰えていくことについて、どのように思うか、と聞かれたときを思えばよいのかもしれません。何の感慨もないのではないかと思います。

印象的といえば、最後の老女と幼子が手をつなぎながら歩いているシーンです。最も印象的でした。あのシーンはいいシーンだ。

再びこの映画を見るときは、このシーンのために見ることにしようと思います。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

ベンジャミン0歳

ハリケーンが近づく病院。

老女は娘に向かって日記を読んでくれるように頼んだ。それは、ベンジャミン・バトンという人物が書いたものだった。

ベンジャミン・バトンは1918年、ニューオリンズで生まれた。

生まれると同時に母は死に、父はあまりにも醜く生まれた赤ん坊を老人養護施設に捨てた。

赤ん坊を拾ったのは施設の黒人の介護士であるクイニーだった。

彼女は、その赤ん坊をベンジャミンと名付け、自分の子供として育てることを決める。

赤ん坊を医師に診てもらうと、80歳位の老人の肉体であると告げられる。生まれながらにしての老体だというのだ。

ベンジャミン12歳。

施設の入居者の孫娘であるデイジーと出会った。まさに運命の出会いだった。

6歳のデイジーは、老いた子供であるベンジャミンに親しみを感じた。

ベンジャミンは船で働きはじめる。そして、女と酒の味を覚える。

同じころ、ボタン工場のオーナーのトーマス・バトンと知り合う。

1936年。ベンジャミン18歳。

施設を出て、マイク船長とともに様々な国をまわった。そして、恋を知った。時代は第二次世界大戦。その戦火もくぐり抜けた。

1945年。ベンジャミン26歳。

施設に戻ったベンジャミンは、成長してバレエダンサーとなったデイジーに再会する。デイジーに思いを寄せるベンジャミンだが、彼女はバレエに夢中だった。

パリ。

デイジーが交通事故に遭い、ダンサー生命を絶たれた。

その後、二人は結ばれる。二人の間に娘が産まれた。

だが、ベンジャミンは苦悩する。それは、年を取るにつれ肉体は若返っていく自分が娘を育てられるのか…。娘には、年相応に肉体が衰えていく普通の父親が必要なのではないか…。

父から受け継いだボタン工場などを売ったベンジャミンは、デイジーと娘に財産を残して放浪の旅に出る。

旅先から娘に向けてハガキを出し続けていた。

デイジーの晩年。

外見は少年ながら、内面は老人になり果てたベンジャミンが戻ってきた。その彼を見守るのは、夫を亡くしたデイジーだった。

ベンジャミンの肉体は若返っていき、赤ん坊の姿となって…。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

映画情報(題名・監督・俳優など)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生
(2008年)

監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
音楽:アレクサンドル・デスプラ

出演:
ベンジャミン・バトン/ブラッド・ピット
デイジー/ケイト・ブランシェット
エリザベス・アボット/ティルダ・スウィントン
トーマス・バトン/ジェイソン・フレミング
ガトー/イライアス・コティーズ
キャロライン/ジュリア・オーモンド
デイジー(幼少期)/エル・ファニング
クイニー/タラジ・P・ヘンソン
ドロシー・ベイカー/フォーン・A・チェンバーズ
キャロライン・バトン/ジョーアンナ・セイラー
ティジー/マハーシャラルハズバズ・アリ
マイク船長/ジャレッド・ハリス

2008年前後の興行収入ランキング

歴代の興行収入ランキング

  1. 日本歴代興行収入ランキング(Top100)
  2. 世界歴代興行収入ランキング(Top200)

2008年公開の映画

(映画)山桜(2008年)の考察と感想とあらすじは?
原作のイメージぴったりというわけではないですが、かなり忠実に映画化されています。原作はかなり短い短編なので、一読してから見てもいいと思います。この短編を読めばわかりますが、ラストシーンがとても重要です。というより、このラストシーンのために全てがある作品です。
(映画)ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝(2008年)の考察と感想とあらすじは?

全くといっていいほど、ジェット・リーのアクションが見られない。わざわざジェット・リーを使う必要があったのか?と正直考え込んでしまった。

(映画)ザ・マジックアワー(2008年)の考察と感想とあらすじは?

写真・映画用語で「マジックアワー」とは、日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」を指す。

(映画)ハッピーフライト(2008年)の考察と感想とあらすじは?

飛行機の中だけを舞台にしているわけではない。裏で支えるグランドスタッフ、整備士、管制官、ディスパッチャー、バードパトロールを描いているのが見どころの一つだろう。

(映画)ドラゴン・キングダム(2008年)の考察と感想とあらすじは?

原題は「THE FORBIDDEN KINGDOM」。中国語題は「功夫之王』。ジャッキー・チェンとジェット・リーが初共演したアドベンチャー武侠カンフー映画。

(映画)トワイライト・サーガ1 トワイライト-初恋-(2008年)の考察と感想とあらすじは?

シリーズ1作目。ステファニー・メイヤーの世界的ベストセラー小説を映画化。10代の女の子を中心に人気があるシリーズで、人間とヴァンパイアが恋に落ちるファンタジー・ロマンス。

(映画)007 慰めの報酬(2008年)の考察と感想とあらすじは?
007シリーズ22作目。ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの2作目。「007 カジノ・ロワイヤル」から1時間後の設定。映画本編はシリーズ初の続編だそうです。本作では陸・海・空のチェイスが一つの見どころです。しょっぱなからカーチェイスで、...
(映画)容疑者Xの献身(2008年)の考察と感想とあらすじは?

真の主人公と言ってもよい石神役の堤真一のうらぶれた高校教師姿はよかった。極めて影が薄いように演じているところも良い。

(映画)マンマ・ミーア!(2008年)の考察と感想とあらすじは?

一組のアーティストの曲だけで構成するという構成は、ミュージカル映画としては、アリだと思った。ABBAの曲で映画を作るというのは、挑戦的だが、曲の雰囲気や流れという点での違和感が少ないというメリットがある。ただ、惜しむらくは、流す曲の順番を考えてほしかった。

(映画)隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年)の考察と感想とあらすじは?

「Star Wars」から影響を受けた「隠し砦の三悪人」に淡い恋物語をブレンドしたといった感じ?ダースベーダーもどきの鷹山刑部の登場には白けた。後半に登場する山名の砦はさしずめデススターだろう。

(映画)ICHI(2008年)の考察と感想とあらすじは?

子母澤寛(しもざわ かん)の「座頭市物語」が原作。今回は「市」の設定を女性にして、孤高を貫き生きる女、初めて出会った運命の男との切ない恋の行方を描く。

(映画)ナルニア国物語/第2章カスピアン王子の角笛(2008年)の考察と感想とあらすじは?

前作「ライオンと魔女」から1,300年の歳月が流れたナルニア。角笛(前作でスーザンがサンタクロースから贈られた魔法の角笛)に呼ばれて四人兄弟が再びナルニアへ呼ばれる。

(映画)20世紀少年2 最後の希望(2008年)の考察と感想とあらすじは?

物語は新たな展開を迎える。「よげんの書」につづいて「しんよげんの書」が出てくるのだ。それはケンヂたちが考えたストーリーの続きだった。

(映画)オーストラリア(2008年)の考察と感想とあらすじは?

題名から18世紀後半のいわゆる植民地として入植がはじまったころ、もしくは、その後の19世紀初頭を描いている映画かと思ってしまったorz。

(映画)20世紀少年1 終わりの始まり(2008年)の考察と感想とあらすじは?

浦沢直樹氏の「20世紀少年」を映画化。自身が初期段階から脚本に参加している。映画は原作とは異なるストーリー展開となっているそうだ。

(映画)僕の彼女はサイボーグ(2008年)の考察と感想とあらすじは?

きっと彼女は、もう一つの「ターミネーター」なのでしょう。その登場の仕方といい、未来から主人公を守りに来たという設定といい、近い将来に街が壊滅的な打撃を受ける点といい、よく似ています。

(大河ドラマ)篤姫(全話)の考察と感想とあらすじは?(主人公:天璋院篤姫)
2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」の紹介です。激動の幕末期を江戸城の無血開城を迎えるまで大奥を束ねた篤姫(天璋院)の生涯を描きます。薩摩藩の分家から本家の養女となり、ついには将軍の御台所となり、幕末の動乱を乗り越え、徳川の家名を守り抜いた数奇な運命を辿りました。
(映画)インディ・ジョーンズ4-クリスタル・スカルの王国(2008年)の考察と感想とあらすじは?

「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」から19年後の1957年が舞台となっている。「レイダース-失われた聖櫃(アーク)」の最後のシーンを覚えているだろうか?聖櫃(アーク)がある巨大倉庫に運び込まれていくシーンだが、今回はその巨大倉庫から始まる。

(映画)レッドクリフ PartI(2008年)の考察と感想とあらすじは?

三国志演義をベースにした「赤壁の戦い」を中心に描いた映画。歴史スペクタクル映画と言いたい所だが...。残念だが、映画史上に残る名作ではない。過去の名作と比べてしまうと、どうもねぇ。

(映画)陰日向に咲く(2008年)の考察と感想とあらすじは?

劇団ひとりの大ヒット小説「陰日向に咲く」の映画化。5編のオムニバス形式の原作を、組み合わせて実写化している。シンヤと鳴子を中心に映画は進んでいき、様々な人間の人生が交錯していくが、映画の中で全く他の人間たちと交錯しない登場人物がいる。

(映画)スラムドッグ$ミリオネア(2008年)の考察と感想とあらすじは?

社会性を前面に押し出した、いわゆる重い映画というのは数多くある。この映画が、こうした重い映画と異なるのは、一筋の希望を観客に与えている点だろう。そこが、各国で映画賞を総なめした最大の理由なのだろうか、と見終わって感じた。

(映画)おくりびと(2008年)の考察と感想とあらすじは?

静謐(せいひつ)という言葉がある。一般的には、おだやかで、しずかで、物音がしない様子をいうが、心の静けさ、気持ちの安定、落ち着き、穏やかさ、心地よさといった心の平安を意味する言葉

(映画)ライラの冒険/黄金の羅針盤(2008年)の考察と感想とあらすじは?

パラレルワールドということになっているが、どうやら、あちらの世界の方が何かとすすんでいるようである。動力源不明の「馬車」や、快適に飛行しているように見える飛行船...などなど。映像は綺麗だし、期待させる出だしである。

タイトルとURLをコピーしました