スティーヴン・スピルバーグは、インディ・ジョーンズ・シリーズの第1作「レイダース/失われた聖櫃」の公開時に、ヨーロッパでは有名だった「タンタンの冒険旅行」シリーズに似ていたため、これをヒントにしたのかという指摘を受けたそうです。
ですが、スピルバーグは当時「タンタンの冒険旅行」シリーズの存在を知らなかったそうです。
それはそうで、このシリーズはヨーロッパでは有名でしたが、アメリカでは知られていなかったからです。
これを機に「タンタンの冒険旅行」シリーズのことを知ったスピルバーグは、いつか映画を撮りたいと考えるようになったそうです。
「タンタンの冒険旅行」シリーズ(Les Aventures de Tintin)は主人公の少年記者タンタン(TINTIN)と相棒の白い犬スノーウィが世界中を旅行し、事件に巻き込まれる物語です。
ベルギーの漫画家エルジェによって描かれた漫画で、80か国語以上に翻訳されています。シリーズの全世界での発行部数は3億5,000万部以上になります。
日本語版もあり、1968年に主婦の友社から「ぼうけんタンタン」(阪田寛夫訳)の邦題で3冊が出版されました。
1983年以後は福音館書店から「タンタンの冒険」シリーズ(川口恵子訳)の邦題で出版されており、全24冊が日本語に訳されています。
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
タンタンは市場で三本マストの帆船「ユニコーン号」の模型にほれ込んで買った。
その模型を買いたいと申し出てきた人物が二人いた。サッカリンとバーナビーという人物だ。
だが、模型にほれ込んでいるタンタンに売る気はない。
タンタンは「ユニコーン号」の模型を自宅に持って帰り、飾ったが、そのすぐそばから相棒犬のスノーウィと猫が喧嘩して、マストを壊してしまった。
タンタンが家に戻ると何者かに家を荒らされ、模型を奪われていた。
「ユニコーン号」の模型にはいったい何の秘密があるというのだ?
タンタンは模型が壊れたときに中から飛び出した筒に一枚の羊皮紙が隠されているのを発見した。
タンタンはサッカリンの共犯者に拉致されて蒸気船に閉じ込められてしまった。
船でタンタンは船長ハドックと出会った。タンタンとハドック船長は、救命ボートで脱出する。
タンタンたちを始末しようとしていた水上飛行機を逆に奪い、モロッコの港バガールに向けて飛ぶが、砂漠に墜落してしまった。
ハドック船長は暑さで脱水しアルコールの突然の禁断症状から幻覚を起こす。そして、17世紀にユニコーン号の船長だった先祖フランシス・ハドック卿に関する話を思い出し始める。
ハドック卿の船は宝を積んでいた。その船をレッド・ラッカム率いる海賊船に襲われた。激しい戦いをして負けてしまうが、ハドック卿はラッカムの手に渡らせるよりはと、ユニコーン号を沈めてしまう。
ユニコーン号の模型は三つあり、それぞれに巻物が隠されているのだと分かる。
巻物が三つそろえば、沈没したユニコーン号とその財宝の在り処が明らかになるのだ。
その第三の模型がバガールにある。しかし、その模型は防弾ガラスの陳列ケースに入れられていた。サッカリンはその模型をとんでもない方法で奪おうと計画していた。
まんまと奪おうとしていたサッカリンからタンタンたちは模型が、サッカリンの手に渡るのを阻止しようとした。そして、ついに三枚の羊皮紙がタンタンの手元に集まり、ユニコーン号の財宝のありかがわかった。それは、意外な場所だった…。
そして、新たな冒険の謎が…。
映画情報(題名・監督・俳優など)
タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密
(2011年)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:スティーヴン・スピルバーグ、ピーター・ジャクソン、キャスリーン・ケネディ
原作:エルジェ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
声の出演:
タンタン/ジェイミー・ベル
ハドック船長/アンディ・サーキス
サッカリン/ダニエル・クレイグ
デュポン/サイモン・ペッグ
デュボン/ニック・フロスト