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(映画)四十七人の刺客(1994年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

原作は全く新しい「忠臣蔵」像を築き上げた池宮彰一郎氏の「四十七人の刺客」。従来のような「忠臣」の姿はそこにはありません。

描き出しているのは、権力者によって不当に仕掛けられた戦争に対して真っ向から立ち向かう武士の姿です。この仕掛けられた戦争は、経済戦争であり、心理戦であり、情報戦です。

極めてリアリティのある設定であり、納得させられる部分が多いです。

大石内蔵助に立ちはだかるのは、米沢藩上杉家の色部又四郎。当代きっての利け者といわれます。そして幕府の権力者・柳沢吉保。この二人です。

浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及んだ真相は何なのか、誰も知るはずがありません。

真相を闇から闇へ葬り去ることで、事態の収束を狙ったものが仕掛けたものです。

これには世間体を取り繕えないような勝ち方をしなければなりません。

敵は吉良家の背後にいる上杉十五万石と柳沢吉保。

刃傷に及んだ真相は何なのか、誰も知るはずがありません。

だが、そこにこそつけいる隙があるのです。

吉良は賄賂をむさぼり、浅野は清廉潔白という噂を流すのです。

原作では謀略戦及び心理戦というものが文中から読取れますが、映画も苦心して表現しようとしています。

それはナレーションの多用によっても分かるでと思います。

最後の要塞と化した吉良邸への討入りシーン。

なるほど、と思う場面が多くある一方で、不満の残る場面も多いです。

殺陣です。派手である必要はないが、迫力に欠けることおびただしいのです。この殺陣の迫力のなさは映画全般を通じてのものでした。

原作の紹介は「時代小説県歴史小説村」で。池宮彰一郎: 四十七人の刺客

忠臣蔵

ゆかりの地

松の廊下跡 江戸城の皇居東御苑

忠臣蔵を題材にした映画

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

江戸時代。元禄十四年三月十四日。

江戸城柳の間で赤穂藩・浅野内匠頭が高家・吉良上野介を斬りつけた。

事態の早期収拾を図るため、柳沢吉保は上杉家の色部又四郎を呼び寄せ、善後策を練った。色部は上杉家と吉良家に傷が付かない方法を提示した。

その結果…。

浅野内匠頭は即刻切腹。赤穂藩は取り潰し。一方で吉良はお咎めなし。

これは、喧嘩両成敗を無視した裁断であった。

大石内蔵助には存念がある。

その前に、大石内蔵助は一つ手を打った。それは、赤穂藩の特産である塩を、塩相場を操作して膨大な討ち入り資金を作ることである。

莫大な資金を持って、大石内蔵助は噂を流させた。

刃傷に及んだ真相が分からない以上、噂を流すのはたやすかった。

浅野内匠頭に同情の声が寄せられ、吉良上野介は賄賂をむさぼる悪者として巷では噂した。

次に、吉良邸を江戸城御府内から外へ移転させるための噂を流した。

それは赤穂浪士が吉良邸に討ち入るというものである。吉良邸付近の諸大名はこのため日夜警護せねばならなく、莫大な経費に値を上げていた。

とうとう、柳沢吉保も吉良邸を江戸城御府内の外へ移転させることにした。つまりは、これ以降、赤穂浪士と吉良家・上杉家の私闘と見なすと宣言したようなものである。

色部又四郎の反撃が始まる。

赤穂浪人に仕官斡旋の手をさしのべ切り崩しを図った。また、吉良邸を全面改築し、迷路や落とし穴などを完備させた。

十二月十四日。朝から降り続いた雪も降り止み、夜になって四十七人の刺客が吉良邸に乗り込んだ。

映画情報(題名・監督・俳優など)

四十七人の刺客
(1994年)

監督: 市川崑
原作: 池宮彰一郎「四十七人の刺客」
脚本: 池上金男、竹山洋、市川崑
音楽: 谷川賢作
ナレーション: 梶原四郎

出演:
大石内蔵助 / 高倉健
不破数右衛門 / 岩城滉一
堀部安兵衛 / 宇崎竜童
奥田孫太夫 / 井川比佐志
吉田忠左衛門 / 山本學
堀部弥兵衛 / 松村達雄
小野寺十内 / 神山繁
原惣右衛門 / 中村敦夫
りく / 浅丘ルリ子
きよ / 黒木瞳
ほり / 清水美砂
かる / 宮沢りえ
高田群兵衛 / 今井雅之
瀬尾孫左衛門 / 石倉三郎
進藤源四郎 / 小林稔侍
大野九郎兵衛 / 小林昭二
山添新八 / 尾藤イサオ
大石主税 / 尾上丑之助
天川屋儀兵衛 / 板東英二
前原伊助 / 永妻晃
神崎与五郎 / 塩屋俊
わか / 横山道代
一文字 / 佐藤B作
色部又四郎 / 中井貴一
千坂兵部 / 森繁久弥
柳沢吉保 / 石坂浩二
吉良上野介 / 西村晃
小林平八郎 / 石橋蓮司
瑤泉院 / 古手川祐子
浅野内匠頭 / 橋爪淳

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