「遂に明かされる、007への危険で過酷な道のり─これは、若きジェームズ・ボンドが”007″になるまでの物語」…という副題。ですが、00(ダブル・オー)になるまでの道のりは……短かった…。
007シリーズ第21作。そして初のリブート作品。ダニエル・クレイグ版の第1作目。
この若き日のジェームズ・ボンドはよく走る!とにかく走る!!いっぱい走る!!!
それ以上に、最初のマダガスカルでの追いかけっこはすごかったです。
何がですって、そりゃジェームズ・ボンドが追いかけている爆弾男。あっけにとられるほどスゴイ身体能力です。
爆弾男は壁のわずかな隙間を新体操選手よろしくすり抜けます。一方のボンドは壁を突き破る。うん、今回のボンドは肉体派です。
賛否両論あるようですが、スパイものらしくて良いじゃないですか!
個人的には、思っていた以上に面白かったです。二転三転するストーリーも驚きです。
否定的な感想を持つだろうことは、昔の007が好きな人や熱心なファンだと思います。こうしたファンには、今回のボンドに相当の違和感があるだろうなというのはわかります。
ですが、熱心な007ファンでなければ、”新しい007″は新鮮に映ったのではないでしょうか?
今回のボンドのテーマの一つは最初で最後の”運命の女”ヴェスパーとの、切なくも悲しい”愛”です。今までのように優男でキザな感じより、ワイルドでクールな面が強いボンドのほうが、このテーマにはよかったです。
もちろん、ヴェスパー・リンド役のエヴァ・グリーンがボンドガールです。
プラトニックな面があるのですが、これが優男でキザな印象を与える俳優だと、白けてしまったかもしれません。
この愛の相手となるボンドガールは、ボンドが利用するというよりは、ボンドと対等な存在という点も面白いです。
撮影シーンも世界を股にかけ、映像シーンもきれいでした。
“カジノ・ロワイヤル”のあるモンテネグロのシーンは、モンテネグロで撮影していないという裏話がありますが、このモンテネグロのシーンをとったイタリアのコモ湖などの風景は美しかったです。
アクションシーンはCGを使わなかったといいますから、最初の場面での高所での撮影などは、本当にそのまま撮影したのでしょうか。想像するだけで、背中に鳥肌が立ちます。
それと、ヴェニスでのシーン。建物の崩壊は、そうした物件を捜しだしたのでしょうかね?
そうそう、最初に出てくるアストン・マーチンは、昔のボンドカーだったことがあるのでしょうか?
あとで出てくる新しいアストン・マーチンとの対比の為に、わざと古い型を出したのでしょうから、お茶目な監督です。
ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド
- 007 カジノ・ロワイヤル 本作
- 007 慰めの報酬
- 007 スカイフォール
- 007 スペクター
- 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
殺しのライセンス”00(ダブル・オー)”の取得条件、その昇格最後の条件である暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは”00(ダブルオー)”の地位に昇格する。
マダガスカルで爆弾所有の男を追い、バハマ、マイアミでは武器売人と航空機爆破の阻止に奔走し、やがて世界中のテロリストの資金源となっている”死の商人”ル・シッフルの存在を突き止める。
テロリストへの資金源を絶つにはル・シッフルを破滅させることが必要だ。
ル・シッフルがモンテネグロの”カジノ・ロワイヤル”で大勝負に出ることが明らかとなり、ボンドは更なる陰謀を阻止せんと現地へ向かうのだった。
国家予算1500万ドルの監視役として財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる。
全財産を賭けた白熱の戦いを繰り広げた末、ボンドに惨敗したル・シッフルはヴェスパーを拉致、追いかけるボンドにさらなる罠と危険が降りかかる。
しかし、ボンドに一生消えない刻印を残した真の衝撃は、もっと先に予想もしない恐るべき姿で待ち受けていた……。
映画情報(題名・監督・俳優など)
007 カジノ・ロワイヤル
(2006)
監督:マーティン・キャンベル
原作:イアン・フレミング 「007 カジノ・ロワイヤル」(東京創元社刊)
音楽:デヴィッド・アーノルド
テーマ曲:モンティ・ノーマン (ジェームズ・ボンドのテーマ)
主題歌:クリス・コーネル
出演:
ジェームズ・ボンド / ダニエル・クレイグ
ヴェスパー・リンド / エヴァ・グリーン
ル・シッフル / マッツ・ミケルセン
M / ジュディ・デンチ
フェリックス・レイター / ジェフリー・ライト
マティス / ジャンカルロ・ジャンニーニ
アレックス・ディミトリオス / サイモン・アブカリアン
ソランジュ / カテリーナ・ムリーノ
ヴァレンカ / イワナ・ミルセヴィッチ
モロカ / セバスチャン・フォーカン
ミスター・ホワイト / イェスパー・クリステンセン
2006年前後の興行収入ランキング
歴代の興行収入ランキング
2006年公開の映画