映画「ジャンヌ・ダルク(1999年)」を観た感想と作品のあらすじや情報など

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※ネタバレ満載ですのでお気をつけください。 関連記事を下の方で紹介しています。 ご参考になさってください。

感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

「オルレアンの乙女」と呼ばれたジャンヌ・ダルクを描いた映画。フランスの国民的英雄であり、カトリック教会の聖女。百年戦争の際にオルレアン解放に貢献し、シャルル7世をランスで戴冠させ、フランスの勝利に寄与した。(百年戦争の概略は佐藤賢一の「英仏百年戦争」に詳しい。)

主演は「バイオハザード」で知られるミラ・ジョヴォヴィッチ。本人はジョヴォヴィッチと呼ばれるよりも、本来のヨヴォヴィッチで呼ばれることを好んでいるようであるが…。
本作と同じく、過去を舞台にして出演した映画が「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」。こちらはバイオハザード譲りの、アクションで魅せてくれる。

監督は「レオン」で知られるリュック・ベッソン。

さて、意外なことに、ジャンヌ・ダルクが勝利したのはただの一度だけ、という捉え方がある。オルレアンの解放戦だけ。だが、ジャンヌ・ダルクは、まるで軍神のような扱いを受けている。それこそ神の軍団を率いた女神のように。

(ただし、戦への関わり方をどう考えるかによって勝利の貢献への捉え方も変わるようで、連戦連勝という考えもあるようだ。論争の的になっているらしい。

捉え方によらず共通しているのは、ジャンヌ・ダルクが参加した戦の勝率は高かった。兵士の士気が奮い立ったのだろう。)

これも意外なのだが、ジャンヌ・ダルクは異端のままである。異端にして聖女なのである。ルーアンでの異端審問を受け、1456年に復権裁判で無罪となり、1920年に聖人となったあとも、ローマ教皇庁は異端性を取り消していない。カトリックはジャンヌ・ダルクの思想信条を異端としたままなのだ。

おそらくイメージとかけ離れているはずである。不思議である。

理由はある。

ジャンヌ・ダルクはある時期まで一部の地域のみで知られた人物であったようだ。それをナポレオンが、フランスの救世主として大々的に紹介したために、一挙に有名になった。政治的な意図があってのことである。

実はナポレオンより以前に、フランスに戦の天才がいた。ベルトラン・デュ・ゲクラン元帥である。ほぼ不敗の元帥だった。引き合いに出されては、ナポレオンが見劣りする位の人物である。(ベルトラン・デュ・ゲクラン元帥については、佐藤賢一の「双頭の鷲」をお勧めする。大変面白い小説である。)

だが、皇帝になるナポレオンは、フランスの救世主としての正当性を得るために何らかの事跡を欲していたにちがいない。そこで、見つけてきたのがジャンヌ・ダルクだったというわけである。

言い方は悪いが、ジャンヌ・ダルクは創られた英雄である。

さて、主役のジャンヌ・ダルクを演じたミラ・ジョヴォヴィッチ。半開きの口がどうしても頭から離れない。
だが、狂信的でヒステリックなジャンヌ・ダルクには半開きの口が似合っているのかもしれない。

キリリと引き締まった口で狂信的なのは、確信犯的な印象を受ける。それこそ、政争を繰り広げる時に、悪役の背後にいる参謀のようなもの。

だから、少し間抜けに見える半開きくらいがいいのかもしれない。

本作と同じく、英仏百年戦争を舞台とした映画が「タイムライン」。IF戦記といっていい映画である。

また、小説では、ジャンヌ・ダルクが主要な登場人物として描かれているものに、佐藤賢一の「傭兵ピエール」「ジャンヌ・ダルクまたはロメ」がある。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

(公式サイトから抜粋)
1412年頃のフランス。ジャンヌ・ダルクはドンレミ村で小作農の末娘として生まれた。

フランスはヘンリー5世を戴くイギリスと英仏百年戦争のまっただ中にあった。
ブルゴーニュ派がイギリスと組んで内戦状態にあり、まさに滅亡寸前であり、この状況を救えるのは奇跡だけだった。

13歳の少女ジャンヌは暇さえあれば教会の告解室に入り浸っていた。彼女はここにいると心が落ち着いた。

ジャンヌはのどかな村で花畑を駆けめぐり、羊の群と戯れて遊んだ。そして、度々天上の声を聞き、不思議な幻影を見た。

ある日、草原に寝転がって幻想の世界にいたジャンヌがふとわれに返ると、村がイギリス軍に襲われて火の海になっている。

あわてて家に帰り着いたジャンヌを、姉カトリーヌは戸棚にかくまった。しかし、カトリーヌは兵士たちに見つかって殺された後、犯される。ジャンヌは怯えながら、その一部始終を板の裂け目から見ていた。

時は流れ、17歳になったジャンヌ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は神の声を受けてシノンの城にいる王太子シャルル(ジョン・マルコヴィッチ)のもとへと向かった。

彼女はもはや自分が神の使者であることを信じて疑わなかった。城には若い男爵ジル・ド・レ(ヴァンサン・カッセル)やジャン・ドーロン(デズモンド・ハリントン)、アランソン公(パスカル・グレゴリー)ら、主だった臣下が集められた。

シャルルはジャンヌを警戒してドーロンに王を装わせるが、彼女はこれを見破り、太子をみつけて彼こそフランスの正統な君主であるとの神の意志を伝える。

そして、オルレアンの敵の包囲を解くために自分に軍勢を与えるように言う。

シャルルの義母ヨランド・ダラゴン(フェイ・ダナウェイ)や重臣たちは、怪しみながらもジャンヌの中に不思議な資質と抗うことのできない説得力があるのを認めざるを得なかった。彼らはジャンヌが処女であることを確認した上で、彼女が神の使者だと認め、軍を率いることを許す。

前線では、オルレアンの私生児ことデュノワ伯ジャン(チェッキー・カリョ)や、怒りを意味するラ・イールと通称されるエティエンヌ・ド・ヴィニョール(リチャード・ライディングス)らがジャンヌを待ち受けていた。

ジル・ド・レ-やジャン・ドーロン、アランソン公らも隊に加わった。白い甲冑に身を固めたジャンヌは、少女の姿を笑う男たちに憤って髪を切り、沈滞ムードに浸っていた兵士たちを鼓舞する。

そして、旗を携えて馬にまたがり先頭に立って敵陣に向かう。その勢いに押されて後退を始めるイギリス軍。砦の中に攻め込むフランス軍。それは劇的な勝利だった。

ジャンヌは進軍を続けた。疲弊した兵士たちも彼女の霊感に勇気づけられ、活力を取り戻した。しかし、敵の逆襲は凄まじかった。城塞から放たれる石の砲弾。

傷つき、倒れる味方の兵士。空を舞う血まみれの首……。戦況を開こうとして、城壁にかけたはしごを登り始めたジャンヌの胸を矢が貫く。遠のく意識の中で、ジャンヌはいつものように幻想を見、姉の死を思い出していた。

翌朝、奇跡的に命をとりとめたジャンヌは、兵士たちを叩き起こして戦闘の再開を命ずる。敵は甦ったジャンヌに恐れおののいた。再び激しい戦いが始まった。ジャンヌは地獄のような光景を見ながら、神と対話していた。

戦いはフランス軍の勝利に終わった。しかし、彼女の目の前にあるのは死体の山。これが勝利なのか? 彼女は懊悩する。そして、ヘンリー王に撤退を促す書簡を送ると、やがてイギリス軍は退却を始めた。

ランスでは荘厳な戴冠式が執り行われ、フランスの君主シャルル7世が誕生した。

映画情報(題名・監督・俳優など)

JoanOfArc
ジャンヌ・ダルク
(1999)

監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン、アンドリュー・バーキン
音楽:エリック・セラ

出演:
ジャンヌ/ミラ・ジョヴォヴィッチ
シャルル7世/ジョン・マルコヴィッチ
ヨランド/フェイ・ダナウェイ
ジャンヌの良心/ダスティン・ホフマン
ジル・ド・レ/ヴァンサン・カッセル
デュノワ伯/チェッキー・カリョ
アランソン公/パスカル・グレゴリー
ドーロン/デズモンド・ハリントン