映画「炎のランナー」を観た感想と作品のあらすじや情報など

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※ネタバレ満載ですのでお気をつけください。
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感想/コメント

★★★★★★★★★☆

実在の二人のランナーを描いた映画

1924年のパリ・オリンピックを舞台に、走ることによって栄光を勝ち取り、真のイギリス人になろうとするユダヤ人のハロルド・エイブラハムズ、神のために走るスコットランド人宣教師エリック・リデルの実在の二人のランナーを描いた映画。

テーマ曲

砂浜を走るイギリスのオリンピック代表のシーンから始まり、同じシーンで終わる。この両方で流れるのがヴァンゲリスの曲。

この映画を見ると思うのが、いかに映画にとって音楽が重要かということである。始まりと終わりで流れる音楽はとても印象的なのは当然だが、途中で流れる音楽も映画に色を添えている。

特に、アメリカ選手団の練習風景で流れる音楽なんかも、イギリス選手の素朴な練習方法方と比べてシステマティックな印象をよく表している。

映画音楽は、その音楽自体をタイアップという形で売り出すのではなく、あくまでも映画にマッチしたものでなければならない。その事をよく教えてくれる映画である。

ウィリアム・ブレイクの詩「エルサレム」から

原題の[Chariots of Fire]はウィリアム・ブレイクの詩「エルサレム」から取られている。この詩はチャールズ・ヒューバート・パリーによって1916年に曲をつけられ、映画のラストで聖歌隊によって歌われている。

本来「炎の戦車」とでも訳すべきだろうが、それだと分からないから、このような邦題になったのだろう。

だが、原題のニュアンスの方が、映画をよく表しているように思う。

というのは、主人公の二人が、それぞれ、ユダヤ人でありスコットランド人であるというところに、この原題の意味があるように思われるからだ。

二人とも、イングランド人ではない。

UKはイングランド主体の連合国家だが、スコットランドなどは昔から独立性が高い。また、ユダヤ人はその長い歴史の中で常に迫害、差別を受けてきた。

そこの出身である二人がUKの代表としてオリンピックに出場する。

生粋のイングランド人が活躍せず、イングランド人でない二人が活躍するという点にある種の皮肉がある。

監督はこの二人の出自を映画の中で執拗なほど描いており、観客に強く訴えかけている。このことを考えながら、映画を見ると別の味方が出来るかもしれない。

そして、原題の[Chariots of Fire]を思い起こせば、そこに監督のイメージするものというのが見えてくるような気がする。

Chariotとは、古代ギリシャ・ローマ・エジプトなどで使われた一人乗りの二輪戦車である。二輪の戦車という点と、主人公が二人である点にも監督の意図があるにちがいない。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1919年、ケンブリッジ大学にハロルド・エイブラハムズ(ベン・クロス)が入学した。彼はユダヤ人であり、ことあるごとにユダヤ人である彼に向けられる有形無形の差別に反感を抱いていた。ハロルドは足が速かった。

だから、彼は自分を認めさせるために走った。

スコットランドでは元ラグビー選手のエリック・リデル(イアン・チャールソン)の足の速さに注目が集まっていた。エリックは宣教師の家庭に生まれ、彼も父の後を継ぐつもりだ。そして、そのことと同じく彼にとって走ることは神の思寵をたたえることだった。

ケンブリッジでは、ハロルドを中心に1924年のパリ・オリンピックを目指して練習を続けた。

ある夜、ハロルドはオペラ見物に出かけ、歌手のシビル(アリス・クリージャ)に一目惚れし、早速デートに誘い出す。

1923年、ロンドンでの競技会で、エリックとハロルドは始めて対決した。そして、わずかの差でエリックが勝った。

この競技会での敗北はハロルドを打ちのめした。彼は何者に対しても負けたくなかったのだ。そこで、ハロルドはサム・ムサビーニ(イアン・ホルム)のコーチを受けることになった。

だが、このことがトリニティの学寮長(ジョン・ギールグッド)とキースの学寮長(リンゼイ・アンダーソン)に、アマチュア精神にもとると批難されることになる。

やがて、オリンピック出場が決定したハロルドとエリックは、パリに向かう。

だが、百メートルの予選が日曜日と知ってエリックは出場を辞退する。日曜は神が定めた安息日だから、走れないというのだ。

選手団長のバーケンヘッド卿(ナイジェル・ダヴェンポート)、皇太子(デイヴィッド・イエランド)、サザーランド公(ピーター・イーガン)の必死の説得も効果はなかった…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

ChariotsOfFire

炎のランナー
(1981)

監督:ヒュー・ハドソン
製作:デヴィッド・パットナム
原作・脚本:コリン・ウェランド
衣装デザイン:ミレーナ・カノネロ
音楽:ヴァンゲリス

出演:
ハロルド・エイブラハム:ベン・クロス
エリック・リデル:イアン・リチャードソン
サム・マサビーニ:イアン・ホルム
アンディ・リンゼイ卿:ナイジェル・ヘイバース
ジェニー:シェリル・キャンベル
シビル:アリス・クリーグ